ジム。

前半生と後半生を区切ることになった最大のきっかけ(ポイント)は、ジムを移ったことだ。

 

私が、ボクシングのトレーニングをする場所を移ったのは、直感的な気の流れの変化を読み取ったからであって、決して前のジムが嫌になったからではない。私は今でも前のジムを愛しているし、トレーナーの技術と人格にも全幅の信頼を置いている。ただ、以前いたジムは、階段を下りた地下にあり、トイレも和式で「女性会員大歓迎!」と謳いながらも、あまり、女性が練習したくなるような場所ではなかった。

新しく移った「ボクシングクラブ上野」は、階段を上った2階にあり、どこもかしこもピカピカに磨かれ、照明も明るく、BGMもクラブ・ミュージック。実際に、女性会員が非常に多い。

この「ボクシングクラブ」は、渋谷、新宿、上野、新橋、池袋にチェーン展開していて、どこも駅から徒歩1分。トレーニング環境も去ることながら「企業戦略が、うまいなあ」と思うのは、その「名称」。

一般のボクシングジムの名前は「会長の名+ボクシングジム」というのがオーソドックスなのだけど、あえて「ジム」という言葉を使わず「クラブ」として、何の名称も付けずに、単なる「ボクシングクラブ+地名」。これで「ボクシング」の持つ、泥臭さは、完璧に消える。

前のジムでは、ボクシングが上手くなりたくて、ひたむきに研究し、練習していた。今のジムでは、ミット打ちすらしない。フィットネスやエクササイズですらない。サンドバックやパンチング・ボールはやるけど、基本「(クラブに)踊りに行く」という感覚で通っている。

その方が、気楽で気軽でいい。明るく、前向きな後半生を生きるためには。

追記

新しいジムに通い始めて、1週間で3キロ痩せて、手持ちで一番細いジーンズ(ディーゼル)が履けるようになった。練習するより、踊る方が痩せる、という皮肉。

 

人類に捧げた仕事『ユニバーサル・マシン』

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